今回はスピーキング力アップのために私が行った英語学習法をご紹介します。
私は学生時代からいつか海外で働きたいと考えて英語の勉強を続けていましたが、自分の英語力にまだまだ自信がなく、特にスピーキング力が弱いと感じていました。そこで看護師として就職後、少人数制の英会話クラスに通い始めました。英語ネイティブの先生1人に対して初級~中級レベルの生徒3~4人のクラスで、フリーディスカッションの時間が多いので、スピーキングの練習にはもってこいでした。しかし実際にクラスが始まると、言いたいことを頭の中で英作文している間に話題が変わってしまったり、自分に話が振られても緊張で頭が真っ白になり発言できずに終わってしまうことが続きました。また、プライベートレッスンではないため、他の生徒さんの話す機会を邪魔しないよう気を遣いました。
ある日、海外に留学していた生徒さんが加わりました。その方の会話の速さとボキャブラリーの豊富さに驚き、一人で話をグイグイと引っ張っていく積極性にも圧倒されました。私はその日はほとんど発言できず、自分の語彙力の低さとともに、せっかくスピーキングの練習に来ているのに積極的に会話をしていない自分の姿勢に気づきました。
それ以来、話すタイミングを「待つ」のではなく、自分からどんどん口を挟んで話すタイミングを「作る」ように心がけました。あまり得意でないトピックの場合は、「それって○○ということだと思っていたけど、△△っていうこと?」など、まず自分の考えを最初に述べてから質問するようにしたり、その場で思いついたことを話し続けたりして、とにかく自分の話す機会を作るようにしました。周りの生徒さんに申し訳なく感じることもありましたが、自分は英会話の勉強に来ているのだという当初の目的に立ち返り、限られた時間を最大限生かそうと考えるようになりました。
こうした積極的に話す姿勢の重要性は、海外で特に実感しました。その後カナダに行った際に愕然としたのですが、現地の人は私のような非英語圏の人と話すとき、ゆっくり話してくれることはほとんどなく、黙っているときに話を振ってくれることは全くと言っていいほどありませんでした。欧米では、「話さない=意見がない」と思われ、放置されてしまうため、話に割って入るくらいのつもりで自主的に話しかける必要があります。そのため、日本にいる間に積極的に話す姿勢を心がけたことで、いざネイティブの人と対面した際、あまり抵抗なく話せるようになったと思います。
そして、英語で会話をするためにはそれなりの語彙力が必要になります。私はネイティブと積極に話すだけではスピーキング力があまり伸びないように感じたため、ラジオ英会話や映画、新聞などを使った勉強にも力を入れ、そこで覚えた英語表現を実際の会話で使ってみるようにしました。使い方が間違っていると聞き返されますので、そこで正しいニュアンスやタイミングを学ぶことができます。また、相手の言ったことがわからないときは迷わず「I’m sorry?」「Pardon?」と聞き返して、会話の中から新しい語彙を学ぶよう心がけました。このように、積極的にネイティブと会話することと、語彙力を増やす努力を同時進行で続けた結果、徐々にスムーズに会話できるようになり、スピーキング力の伸びを実感しました。
今はインターネットを使って世界中の人と手軽に話すことができます。もしもよい話し相手が見つかったら、あまり頭の中で考えすぎず、ミスを恐れず、自分からどんどん積極的に話しかけることをお勧めします。
久々宇 悦子(カナダ看護師、日本看護師・保健師)
日本で看護大学卒業後、国内で病棟勤務を経てカナダ渡航。独学でカナダ看護師試験(Canadian RN Exam)に合格、看護師免許取得。就労ビザ取得後、トロント市内の地域基幹病院に入職し、外傷・脳神経外科ICUにて看護師として2年間勤務。帰国後、 看護職能団体にて看護労働や学会事業等に従事。
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