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【Nursing English in Action】Chapter6 日常生活動作:ADL介助レベル

【Nursing English in Action】Chapter6 日常生活動作:ADL介助レベル

病棟で働いていると、患者さんがどれだけADL(Activities of Daily Living=日常生活動作)の介助を必要としているかが、シフト毎に患者をどう振り分けるかの大きな要因になってきます。(もちろん患者さんの容態や与薬の多さなどにも左右されると思いますが。)

まずADLの面で一番「手がかからない」患者さんのことは”independent”と言い、以前のコラムでもお話しましたが、このような患者さんのことを”walkie talkie”とも呼んでいます。”walkie talkie”だからと言って必ずしもケアが「楽」というわけでもありませんが、ADLに関しては介助を必要としないのでその分手間が省けます。

次の段階は”minimum assist”で、大抵のことには介助を必要としないが、例えば歩行器を必要とする患者さんがこれにあたります。トイレまで行く時に見守りをすることを“stand-by assist”と言いますが、まさしく「何かが起こった時(急にふらついたり力が入らなくなった場合など)のためにスタンバイする」ということになります。ケアする面から考えて、時間的な負担はでてきますが、患者さんの体重を支えるなどの身体的な負担は少ないと言えるでしょう。

その次は“moderate assist”で、例えばベッドからbedside commode(ポータブルトイレ)まで移乗するときにナースの支えが必要な患者さんのことを言います。患者さんがヘビー級の場合はスタッフ二人がかりになったりします。

一番ケア度の高い患者さんのことは“maximum assist”あるいは“total care patient”と呼びます。このような患者さんには、背中・おしりの下にリフトシーツを敷いて体位交換のときに使ったり、ベッド上でズルズルと下の方へ下がっていってしまった体をベッドの上方向に移動させたりする介助が必要になります。もちろんこれは一人ではできない作業なので、他のスタッフに“Can I get a lift?”と協力をお願いしていました。(本来なら“Can you help me lift a patient up in bed?”<患者さんをベッドの上の方へ持ち上げるのを手伝ってもらえる?>というのが正式な聞き方なのでしょうが、もう「リフト」といって通じてしまいます。)

Total care patientで思い出すことがあります。ある半身不随の患者さんから、2時間ごとの体位交換のときに「左脚はあと1インチ左に動かして」や「右膝はあともう少し枕の上にあげて」などと細かく指導が入り、体位交換をするだけでも10分以上かかったのです。一度その患者さんの病室に入ると30分ぐらいは出て来られないので、入る前に覚悟をして行っていたものでした。この患者さんに「あたってしまった」時は、周りのナースからは同情の目で見られるけど決して「代わってあげる」とは言われませんでした。

私もCharge Nurse (シフトリーダーのような立場のナース)をしていた時に、次のシフトの担当表を作ったのですが、必ず偏らないようにしていたのがtotal care patientでした。同じ日に二人のtotal care patientを担当することは稀でしたが、忙しく走り回っているナースが“I have 2 totals today.”と言ったら、「あ〜、大変だね。」ということで納得したものでした。

ブログ執筆者

橋本実和
(米国・日本看護師、米国看護学士)
IPEC看護英語教育アドバイザー

アメリカ・カリフォルニア州のCommunity Collegeで看護教育を経てAssociate Degree in Nursing(ADN)を取得。NCLEX-RN合格後、バークレー市内の病院のがん・血液科病棟にて病棟ナースとして5年間従事。その間にカリフォルニア州立大学にて看護学士を取得。帰国後、IPEC看護英語専任教師として活躍しながら、日本の看護師免許を取得。現在はインターナショナルスクールのスクールナースとして働きながら、IPEC看護英語教育アドバイザーを務める。

Nursing English in Action

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