ニュージーランドで看護師として病院で働いて6年目を過ごされていた博美さん、今度はなぜかカンボジアで看護師になることに! 自然豊かなニュージーランドから、土埃の舞うカンボジアに渡った博美さんに、これからカンボジアでの看護師体験記を皆さんにお届けしたいと思います。今、日本の企業の進出が盛んなカンボジア。カンボジアに興味のある方、ぜひお楽しみに!今回は、カンボジアってどんな国?カンボジアに行くまでにどんな準備をするの?どうやって看護師の仕事を探すの?VISAはどうするの?など、出発の準備から就職活動までのお話をお聞きしました。
早めに計画的に予防接種を受けることをお勧めします。破傷風、A型肝炎、B型肝炎は強く推奨されています。カンボジアの衛生状態は、下水道の不備もあり、都市に住んでいてもよいとはいえません。水道水も飲めるようになってきてはいますが、飲み水からの急性胃腸炎も多くみられます。 地元の人々が食べる食堂で100~300円の食事をすることで「安い!」と思っていても細菌やウイルスによる胃腸炎にかかり、痛い目に合うことも。そして、このような土地ではバイクから転倒し、傷をつくったら破傷風になる危険性も高いことが想像できるかと思います。また、病気にかかった際には適切な治療が必要なため、海外旅行保険に入っておくことは絶対条件といわれています。カンボジア日本国大使館の医療情報をご参考までにご確認下さい。 私は到着して10日後に高熱がでたり、1か月後に下痢をしたりなどで近くのインターナショナルクリニックにお世話になりました。カンボジアの菌やウイルスは薬剤耐性が多いということもあり、病院を必ず受診し、その菌やウイルスに対する抗生剤を飲むことが大事であると医師よりお聞きしました。保険がないと1回の診察と薬だけで軽く1~2万円、採血や点滴などが追加されると合計3~6万以上になりますので、保険に入るメリットはあると思います。
日本にいる時は、外国人向けに出されているカンボジア国内の求人サイトで探し、カンボジアに住み始めてからは、日本人向けの雑誌の求人や、The Cambodia Dailyという月~土に発行される英字新聞の求人欄を見たり、日本人が経営しているリクルート会社に登録したりなどしました。それ以外は、医療機関に飛び込みで履歴書を持っていき、マネージャーに直接交渉もしました。日本の看護師さんで、カンボジアで働いている方々は、NGO関係が主で、その中でボランティア、短期雇用、看護教育に携わる人などです。その他、最近は日系クリニックや日系の医療サポート会社など少しずつ見られるようになり、そこで看護師の仕事をしている方もいらっしゃいます。私は、最終的には、日系クリニックの看護師の仕事をカンボジアの雑誌のサイトで見つけました。
皆さん、カンボジアがイメージできましたか?感染症対策として、出発前の準備と海外旅行保険に入っておく事の大切さが伝わってきましたね。次回からは、もっと生活に密着した情報が聞けるようです、お楽しみに!
森本 博美さん
日本・ニュージーランド・カンボジア看護師
国内で看護師として病棟・外来の臨床経験を経て、保健師として保健所に勤務。その後、ニュージーランドへ渡りワーキングホリデーを体験後、看護師免許を取得。クライストチャーチのPublic Hospitalの整形外科病棟に6年、老人ホームに約2年勤務。2014年にカンボジアに渡り、現在日系クリニックで看護師として活躍中。
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1.カンボジアってどんな国?
カンボジアは西にタイ、東にベトナム、北にラオスを配するインドシナ半島の中央部に位置し、国土面積は日本の約半分です。立憲君主制政の資本主義国で、発展途上国のイメージが強いと思われますが、年々国内総生産(GDP)は伸びていて、都市部では活発な開発が進んでいます。人口約1470万人(2013年)、首都プノンペンで約220万人。国民の90%以上がカンボジア人。他にべトナム人5%、中国人1%。平均寿命は62歳(2010年)で男性平均寿命は59歳、女性は64歳。
主要産業は農業、漁業、林業などの第一次産業で、最近は観光産業と縫製産業が成長しています。カンボジア人は温和な気質の人が多く、家族や仲間と過ごす時間を大切にします。
親日家も多く、言葉が通じずとも声をかけてくれる友好的な人を多く見かけます。一方では学歴や所得、身なりで相手の身分を判断する傾向にあり、見栄やプライド意識が強い人種とも言われています。