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【海外の看護現場から】ロボットが看護助手になる日

 この夏、以前に住んでいましたサンフランシスコ近郊を訪れたときに以前同じ病院で一緒に働いていた友人とお互いの近況の話で盛り上がっている中、面白い話を聞きました。その彼女は今では違う病院で働いているのですが、その病院ではTUGという機械を使って院内の色々なものが「運ばれている」ということでした。どのようなものが運ばれるかと言いますと、シーツやタオル、食事のトレイなどのものから薬剤、検体や輸血用の血液などといった幅広いものがあり、TUGがそれらのものを病院の一箇所から別の箇所に届ける「ロボット」だというのです。はじめにロボットと聞いたときに勝手に人間の形をしたロボットが院内の廊下を歩いているのを想像してしまいました。友人に言わせると、大きな容器に車輪がついているようなものだというのです。


いまいち想像がつかないな、と思っていましたらアメリカ滞在中に参加した看護師のカンファレンスの一環で病院見学がありまして、その病院が友人の働く同じ系列の病院に行く機会がありました。見学の最後の方に「面白いものを見せたいから」とそれまでいたエリアから離れて少し歩き、エレベーターを待っていたら、「あ、来た。」とツアーをしてくれていた看護師のスタッフが言いました。まさしく大きな容器に車輪がついたものがこちらに向かって来ているのです。その周りには人はいません。

そのロボットもどうやらエレベーターに乗って違うところに行くようにプログラムされているようでした。どう避けていいのか迷っているところにスタッフの看護師さんが「大丈夫、ちゃんとセンサーがついてるからぶつからないよ。」といきなりTUGの方にパッと接近しました。すると言った通り、TUGも止まりました。そして「通ります。どいてください。」のような声が流れ、エレベーターが来るのを一緒に待ち、4台ほどあるエレベーターのうち、扉が開いたエレベーターに確実に乗って行きました。

忙しい病棟になるとナースステーションにずらっとTUGが並んでいることがあると説明していました。何か異様な光景ですよね。未来の病院ではもっとこのようなロボット化が進んでいくのでしょうか。

ブログ執筆者

橋本実和
(米国・日本看護師、米国看護学士)
IPEC看護英語教育アドバイザー

アメリカ・カリフォルニア州のCommunity Collegeで看護教育を経てAssociate Degree in Nursing(ADN)を取得。NCLEX-RN合格後、バークレー市内の病院のがん・血液科病棟にて病棟ナースとして5年間従事。その間にカリフォルニア州立大学にて看護学士を取得。帰国後、IPEC看護英語専任教師として活躍しながら、日本の看護師免許を取得。現在はインターナショナルスクールのスクールナースとして働きながら、IPEC看護英語教育アドバイザーを務める。

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