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【海外の看護現場から】感染予防対策 使い捨て備品の活用

 院内感染は日本の医療期間でも問題になっていると思いますが、アメリカの病院でも病院が抱える大きな問題で、院内感染を予防するための対策はいろいろなものが導入されていました。中でも年々増えている傾向があるのが「使い捨て」の備品で、以前にも患者さんの備品のエントリーでもお話しましたが、血圧計のカフは患者さんに触れる部分は使い捨てのものを患者さん一人一人に用意していました。これは私が看護師として働き始めたときはまだ使い回しをしていましたが、そのときも患者さんと患者さんの間に殺菌作用のあるワイプで拭かないといけませんでした。使い捨てのものが出回るようになってからは一人の患者さん専用のもので、その患者さんのカフが見つからないからお隣さんのをちょっと借りる、ということはできませんでした。


病院食が美味しくない、というのは私の働いていた病院だけでないと思いますが、それが「当たり前」のようにされていて美味しくないのは仕方ない、というように受け入れられていたように思います。私がここで話しているのは普通食のことで、食事の内容や形状に特別制限のない病院食のことです。朝食は、トーストやベーグルに卵、ソーセージやベーコンなどの肉類、そしてヨーグルトにコーヒーかお茶、といったもので、言葉を並べて想像していただくと特に問題なさそうに思いますが、実際にトレイに乗ったお皿にかかってる蓋を開けると「ん?これなんだ?」と思うほどミステリアスなものだったりします。昼食や夕食はパスタやライスが炭水化物になるのですが、パスタは大抵茹ですぎてあり、ライスは話になりません。ライスは日本のお米を基準にしてはいけないのでしょうが、パサパサなのか水が多すぎるのか分からないように調理されていたりました。野菜に関してはサラダになっている場合は原型をとどめていますが、調理されてしまうと何だかわからない、グチャグチャの副菜として添えられています。ここまでくると、わざとまずくしているのか?と突っ込みたくなるくらいです。

体温計も、私の働いていた病棟では(正確に体温を測ることが必要だったので)デジタル体温計が患者さん一人一人に用意され、これもまた他の患者さんとシェアして使うということはできませんでした。そして同じ患者さんでも口腔用と腋窩用と別に用意しました。他の病棟ではTempaDOT といって、使い捨ての体温計を使っていました。これはペナペナのプラスチックに点々がついていて、これを舌下に1−2分置いておき、取り出したときに変色した点々で体温を記録します。私はいつもこれはどこまで信用していいものかと不安でした。それでも使い回すより使い捨てのものの方が院内感染予防になるとされたのでしょう。

患者さん用に用意された備品は1度患者さんの部屋に入ったものはいくら使われていなくても戻すことはできませんでした。これは感染リスクの高い、隔離された患者さんということではなく、すべての患者さんに適応するルールでした。例えばベッドシーツや病衣、タオルなど、余分に持って行っておいて結局使わなかったとします。きれいにたたんで部屋の端の方のカウンタースペースに置いてあって例え患者さんが触らなかったとしてもその患者さんが退院したときには洗濯物行きです。

もちろん院内感染予防策のゴールドスタンダードは「手洗い」でしたが、それ以外にもいろいろな策が打ち出され、導入されていました。

ブログ執筆者

橋本実和
(米国・日本看護師、米国看護学士)
IPEC看護英語教育アドバイザー

アメリカ・カリフォルニア州のCommunity Collegeで看護教育を経てAssociate Degree in Nursing(ADN)を取得。NCLEX-RN合格後、バークレー市内の病院のがん・血液科病棟にて病棟ナースとして5年間従事。その間にカリフォルニア州立大学にて看護学士を取得。帰国後、IPEC看護英語専任教師として活躍しながら、日本の看護師免許を取得。現在はインターナショナルスクールのスクールナースとして働きながら、IPEC看護英語教育アドバイザーを務める。