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東海アクシス看護専門学校<学校インタビュー>
~学生のモチベーションアップを実現するために「英語」授業を「看護英語」授業へ~

スペシャルインタビュー

IPECが推進する看護英語教育は、「日本の医療現場において基本的な看護業務を英語で運用できる看護師を養成する」ことを目的としています。これからの日本の医療現場で活躍する看護師を養成する看護学校の代表の方々に看護教育の中の「看護英語教育」についてお話を伺いました。

東海アクシス看護専門学校 副校長 山﨑 伸恵 様

IPEC: 貴校の教育方針、理念についてお聞かせください。

山﨑先生: 本校は、平成5年開校より「恵まれた自然環境の中で自然を愛するこころを育み、観察力をきたえ、感性豊かなコミュニケーションと優しい手を備えた、自律した技術をもつ看護師の育成を目指す」という教育理念を掲げており、学生自身が主体的に考えて、自分で課題を発見し、そして優しい手で温かい心を持って患者様の看護ができる、ということを目指しています。

IPEC: 貴校が実践されている看護教育の特徴についてお聞かせください。

山﨑先生: 特徴としては次の3つがあります。

  • 地域との密接した連携
  • 教育のICT化に積極的な取り組み
  • 細やかな個別指導が可能な、チューター制の導入
1. 地域との密接した連携

本校は、5市1町で組合を作り出資をしていただいて運営している公立の看護専門学校になります。元々5市1町のそれぞれの公立病院の看護師不足を解消するために設立されましたので、大変地域との連携が強く、ほとんどの学生が地域の病院に就職しています。

2. 教育のICT化に積極的な取り組み

一昨年、新型コロナウイルス感染症が拡大する前からICT教育の準備を進めておりましたので、感染拡大が起こった後のリモート授業への移行も割とスムーズに行うことができました。2020年4-5月の緊急事態宣言下においても、あまり混乱することなく双方向性の授業ができていました。対面授業に戻ってからも、ICTを活用した、学生が主体的に取り組める(アクティブラーニングと言っておりますが)授業展開ができています。

3. 細やかな個別指導が可能な、チューター制の導入

本校は1学年は60名ですが、1人の教員がチューターとして1学年4-5人、3学年合わせて12-13人の学生を受け持ちます。成績のことや、生活上のことなどについて、担当の教員がチューターとして窓口になります。学生は、悩みがあったときは気軽に相談し、学習支援の点でも、少人数制を取ることで、きめ細やかな指導ができています。

この制度は1年更新で、1年生は学校側で決定しますが、2年生からは学生に「この先生にチューターになって欲しい」という希望を取ります。優先順位をつけない形で4人以上は候補をあげてもらうことで希望の集中を防ぎ、候補に挙げなかった教員には当たらないようにしています。教員も学生も人間ですので相性があります。こちらから指示するのではなく、学生自身に自分のチューターを選んでもらうことも、主体性を育む1つの方法と考えています。

また、異学年交流をする際にもこのチューター単位で茶話会をしたり、話し合いを持ったりしています。
本校では宣誓式を2年生で行いますが、その際にもチューター単位で話し合い、お互いに学び合い、上の学年は回顧することで自分の成長を確認し、下の学年は近未来の目標を明確にすることができます。

この制度は10年ほど前から導入していますが、学生からも好評ですし、実習先の指導者からも「教員と学生の関係がとても良いですね。」「教員の仕事ってとてもいいですね。」という評価を受けています。

IPEC: 貴校がお考えになる看護師像について教えてください。

山﨑先生: 理念にもありますが、本校の学生の特徴としまして、とてもケアリング力が高いことが挙げられます。それを活かしながら、これからどんどん変化していく社会や医療の状況に適応できるように、主体的に自ら課題を見つけて行動できるような学生に育って欲しいと思います。

IPEC: 貴校の英語授業への取り組みや工夫されている点についてお聞かせください。

山﨑先生:本校の英語教育は「看護英会話」という科目になっており、以前の英語授業はたしなみ程度に軽く話せれば良い、というスタンスが見受けられました。英語は少し手を抜いてもいい、というような雰囲気がずっと気になっていました。

本校は浜松の少し東に位置し、浜松には大手自動車会社や楽器製造会社などの工場があり、外国の方がとても多いのです。 国籍も近年は様々です。その方たちが病気になり受診された時に、その国の言葉は無理でも、世界共通語である「英語」を話せることで、不安な気持ちや状況を確認することができ、寄り添う看護ができるのではないか、「使える英語」を学習させたい、という思いでIPECの『Nursing English in Action』の導入を決めました。

また、「TOPEC看護英語試験を受験して合格する」という目標が明確なので、授業に取り組む姿勢が変わってきていると感じています。 教授している先生(ネイティブ教師)も、学生がTOPECに合格することを目指して一所懸命取り組まれ、課題を出したり、小テストをしたり、授業前から学生たちと英語で話したり、工夫していただいています。
今年はできませんでしたが、昨年は希望者には補習授業も行いました。学生はとても楽しく実践で使える英語を学べていると思います。

IPEC: TOPEC看護英語試験の結果を学校の中でどのように使われているのかをお聞かせください。

山﨑先生: 具体的な学校の成績への活用はなく、単位認定試験は別に行っております。試験の受験に関しては、学生の自由裁量に任せていますが、モチベーションをアップさせる、という意味でかなり有効に使わせていただいています。TOPEC看護英語試験に合格することは、就職した時に資格を持っている、というアピールポイントにもなりますし、今後、外国人患者さんに対応する時に活躍できる、という学生のモチベーションになっていると思います。

IPEC: 英語授業におけるオンライン教材導入のご予定などを含めた教材へのご要望などをお聞かせください。

山﨑先生: CDを活用して音声は何回も学習ができますが、看護でよくあるシチュエーション(看護技術を行う場面、コミュニケーションをとる場面、外来で対応するときの場面など)の動画があると、英語教師も含めて、実際にどのように活用していくのかということが明確になり、イメージ化がしやすいと思います。

英語を教えていただいている先生は医療の関係の方ではなく、かなり医療の勉強をしてきていただいていますが、患者の立場での病院の在り方はわかっていても、看護師や医療職としての対応についてはご存じないので、オンラインでもビデオでもそのような動画があると(授業や現場で)活用しやすいのかな、と思います。

IPEC: 新型コロナウイルス感染拡大下にはフェイスシールドを地域の病院に寄付されたそうですね。

山﨑先生: 青年海外協力隊に行っていて新型コロナウイルス感染症拡大によって帰国していた卒業生が、地域貢献したいということで、本校の学生と一緒にコラボしたいと学校の方に申し出があり、この卒業生主導で行いました。自治会の賛同も得て、毎日1週間かけてフェイスシールドを作成し、病院に進呈しました。

IPEC: 貴校の教育理念「自ら課題を見つけて行動する」が卒業後も生かされているのがよくわかります。英語を話し海外で活躍されて、キャリアが広がっているのですね。

山﨑先生: 最後にリクエストをしてもよろしいですか?「TOPEC看護英語試験をやるよ」と言っても、まだ認知度が低く、学生も「それは何?」という状況なので、ぜひ基礎教育や看護教育としてどんどん宣伝していただき、「合格するとすごい」と思えるように知名度を上げていただけると、学生がもっともっとやり甲斐を持てると思います(笑)。全国的に専門学校もそうですが、大学も含めて受験者をぜひ増やしていただきたいです。

IPEC: 貴重なご意見ありがとうございます。採用校を増やせるように頑張ってまいります。
看護英語テキスト採用校も少しずつ増えてきていますので、TOPEC看護英語試験についてももっとご案内していきたいと考えております。

本日は、取材にご協力いただき、どうもありがとうございました。

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