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<看護師インタビュー>
~TOPEC看護英語試験に合格して活躍の場を拡げよう~

TOPEC看護英語試験 成績優秀者 スペシャルインタビュー

TOPEC看護英語試験は、基本的な看護業務を英語で運用できる能力を測定する試験として、看護師・看護学生、その他医療従事者の皆様に受験していただいています。

第10回TOPEC看護英語試験において、優秀な成績で合格された現役看護師の髙橋知子さん(大阪府済生会千里病院に勤務)にお話を伺いました。

髙橋知子さん プロフィール

看護専門学校を卒業後、看護師としての勤務を経て2003年3月~12月に南オーストラリアの州立大学に編入留学し、看護学学士を取得。帰国後約2年間医療人道援助団体の国内支援活動に従事。出産後は、国内の病院(兵庫・熊本・大阪)の外来を中心に内科、整形外科、救急外来、化学療法室などに勤務。2022年4月、日本国際看護師資格を取得、6月医療通訳技能検定試験2級に合格、10月TOPEC看護英語試験に合格し、英語で外国人患者に対応できる看護師として活躍中。

IPEC: 看護師を目指そうと思われた動機と、英語に興味を持たれたきっかけについてお聞かせください。

髙橋さん: 人の役に立ちたい、という思いが元々あり、また地方在住でしたので、地元を離れて自立して仕事をしたいという気持ちも強くありました。親戚が看護師であったのもこの職業を選んだ理由のひとつかもしれません。
また、高校卒業時に看護学校に進学する学友が何人かいたこと、進学先の看護専門学校から高校に学校説明に来ていたことも影響していたと思います。
英語に興味を持ったのは、看護学生の最終学年次に海外医療ドラマを見たことがきっかけです。看護学校を卒業後、就職1年目で休職し1年間ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在しましたが、その時の目標は「英語が話せるようになりたい」という漠然としたものでした。

IPEC: 一度帰国された後にオーストラリアの大学へ編入されましたが、この時の目標は何だったのでしょうか。

髙橋さん: 「看護の勉強と英語力の向上」です。また、大学での学習環境を知りたい、という気持ちもありました。2003年に私が留学した時には、IELTSの成績と自国の看護師資格があればオーストラリアの大学の3年次に編入ができました。大学に編入前に、大学附属の英語学校で10か月ほど学習し編入しました。クラスには中国・韓国、インドネシアなどアジアの学生が多かったです。
卒業試験に合格し、看護学学士の資格を取得しました。

IPEC: いろいろな病院でご活躍されていますが、現在勤務されている大阪府済生会千里病院の外国人患者の来院状況、及び外国人患者の対応について、具体例があればお聞かせください。

髙橋さん:: 正確なデータは不明ですが、現在の病院には月に数名~10人程度の外国人患者が来院します。
今までの外国人患者の対応については、私は外来勤務が多かったので、紹介状の有無や保険について尋ねたり、症状について問診し、診察のトリアージを行っていました。また、電話での対応もしましたが、全科について問い合わせがあるので大変でしたね。患者の家族が海外から電話をしてくることもありましたので、英語圏の方たちについては対応していました。やはり、英語が話せると来院時に比較的スムーズに対応ができますし、また患者さんから感謝の言葉をいただくと、役に立てたことを実感します。
英語圏以外では、南米や中国からの患者さんがいらっしゃいました。英語をほぼ話さない中国の方はコミュニケーションが難しいですが、私が勤務している病院には各病院1人は中国語を話せる人がおり、対応してもらっています。翻訳機や電話での遠隔医療通訳も普及し、また精度も上がってきているので助かっています。

IPEC: 次にTOPEC看護英語試験について伺います。看護英語試験を受験された目的、理由をお聞かせください。また、受験されたご感想もお聞かせください。

髙橋さん: 今後、自施設にて看護師向けの英語サークルを開きたいと考えています。その教材としてIPECの看護英語テキスト『Nursing English in Action』を使用させていただき、スタッフの目標としてTOPEC看護英語試験を受験することを想定し、まずは自分自身が受けておいた方が良いと思い、このたび、受験いたしました。
試験については、テキストをきちんと学習していればある程度の点数はとれる印象を受けました。ライティングのセクションについては、医療通訳士の資格取得に向けて語彙の学習をすることが、TOPEC看護英語試験の受験対策になっていたと思います。リスニングの読み上げのスピードは特に遅すぎることもなくちょうど良かったと思います。各セクションで試験時間が設定されていたため自分のペースで先の問題に進めなかったことが、私にはもどかしく感じられましたが、テキストを学習してTOPEC看護英語試験を受験する、という流れで自施設のスタッフにすすめていきたいと考えています。

IPEC: ありがとうございます。
受験にあたり、看護英語テキスト『Nursing English in Action』をどのように活用されましたか。

髙橋さん: 医療通訳の学習には含まれない「看護英語」の部分(看護業務の英語表現)を試験1ヵ月前から学習しました。主に休日の空いている時間を利用しました。また、車の中でリスニング音声を繰り返し聞きました。スピーキングの学習にもなると思い、リスニング音声を自分で声に出して発音していました。

IPEC: 自宅での看護英語の学習はどのようにされているか、教えてください。

髙橋さん: 発音や意味を調べるためのインターネット辞書や、海外の信頼がおける病院のサイトを活用しています。会話の言い回しや実際の発音を聞くためにYouTubeなども利用しています。また、セミナーなどを多く開催されている先生方のブログなどもよく見ていますし、いくつかの試験テキストや過去問、厚生労働省の「医療通訳」のパンフレットを出力して学習教材として利用しています。

IPEC: 今後、看護の場でどのように英語を活かしていきたいですか。具体的な目標があればお聞かせください。

髙橋さん: 今後は取得した日本国際看護師の資格を活かし、院内、院外問わず、外国人が安心安全に受診ができるシステム構築に向けた活動をさせていただきながら、医療通訳のスキルを磨き、看護の現場での外国人患者の対応のレベルを向上していきたいです。同様の資格を持った看護師たちがいろいろな病院において外国人に対する医療を充実させていけるようにしたいですね。
また、自施設で国際看護に興味のあるスタッフと共に看護師向けの看護英語のサークルを開き、英語の知識の共有をしていきたいです。看護師以外のスタッフには、まず、「分かりやすい日本語」を伝授したいと思っています。

IPEC: 最後に今後TOPEC看護英語試験を受験する皆さんへメッセージをお願いします。

髙橋さん: 近年は看護師の現場も、働き方改革がなされ、以前と比較して育児をしながらも働きやすくなったと聞きます。私も、何度か転職していますが、これまでの全ての職場で、上司と同僚に恵まれ、貴重な時間を過ごすことができて、本当に感謝しています。思ったようにキャリアアップができず、遠回りしていると感じていた時間も、あとで思い返すと無駄な時間ではなく、何かを得ていたと実感することも多いです。若い方々には、英語に限らずできるだけいろいろな経験をしてほしいと思います。そして自分が熱中できるものを見つけて、たくさん学んでください。

IPEC: 髙橋さんのますますのご活躍を期待しております!
本日はどうもありがとうございました。

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