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京都先端科学大学<学校インタビュー>
~学生のモチベーションアップを実現するために「英語」授業を「看護英語」授業へ~

スペシャルインタビュー

IPECが推進する看護英語教育は、「日本の医療現場において基本的な看護業務を英語で運用できる看護師を養成する」ことを目的としています。これからの日本の医療現場で活躍する看護師を養成する看護学校の代表の方々に看護教育の中の「看護英語教育」についてお話を伺いました。

京都先端科学大学 健康医療学部 看護学科 嶌田 理佳 教授

IPEC: 貴学の沿革概要、看護教育の特徴についてお聞かせください。

嶌田先生: 本学は5学部11学科の総合大学で、大学本体の創立は50年以上前ですが、看護学科の開設は2015年です。

看護教育の特徴:入学直後から、学生一人ひとりの学習スタイルを構築する少人数教育を行い、またチューター制度によって、教員がきめ細やかに学生に関わり、学生が安心して学修を進められるようにしています。
学修面では、臨床現場のリアリティを再現するために最新医療機器・シミュレーターも活用して、看護の実践能力を高める教育を展開しています。これにより、卒業時には国内トップレベルの学力が身につくようになり、国家試験の合格率は毎年100%です。卒業生の就職先からも高い評価を得ています。
地域包括ケア時代を支える人材の育成として、地域における看護職の役割を学ぶことも強化しています。この一環として、グローバル化する地域で活躍できるプロフェッショナルとなるための、国際看護を意識したユニークな授業も行っています。
また、本学科は男子学生が多く(他学では10%前後が多いが、本学は約20%)、この点でダイバーシティが実現できている大学です。

IPEC: 貴学がお考えになる看護師像について教えてください。

嶌田先生:看護学科では、看護の対象となる人を全人間的にとらえ、尊重し、対象に適した看護を実践するために必要な知識・技術と豊かな人間性、自律的に学び続ける力を養うことを教育目的としています。これにより、人に寄り添い、からだとこころの健康を守ることができる人材に成長してほしいと願っています。

IPEC: 貴学の通常の(看護)英語授業や地域包括ケア実践プロジェクトついてお聞かせください。

嶌田先生:

1.通常の(看護)英語授業の取り組みについて:本学では、「VUCA(先行きが不透明で、将来の予測が困難な)時代」を生き抜く力を身につけるために、国際社会人基礎力を高めるリベラルアーツ教育として、英語に力を入れています。看護学科の学生も1年次だけで6単位の英語・英会話の授業を受けます。
看護学科では、看護の実践能力を高めるための専門教育とともに、国際社会で活躍できる看護職を育成したいと思っています。こうしたことから、学科独自に英語教育を取り入れることにしました。英語教育は、臨床国際コミュニケーションとして、「看護職として知っておきたい外国人クライエントへの接し方」をテーマに実施しました。

2.地域包括ケア実践プロジェクトの開始時期、取り組み、工夫などについて:地域包括ケア実践プロジェクトは、現代社会のニーズに応えるために設定された本学独自の科目です。病院、施設、在宅、地域など、多様な場において看護活動を展開するうえで必要となる能力を修得することを目的とし、1年生の春から地域に出て実習するというプログラムを展開しています。今回英語授業を行ったのは3年生で、臨床における判断能力や実践能力を高めるための演習とともに、「臨床国際コミュニケーション」を展開しました。ここでは、①医療ケアを必要とする外国籍クライエントの現状を知る、②外国籍クライエントへの接し方を知る、③英語によるコミュニケーションによって、健康状態を把握する方法を知る、といったことを目標として、外部講師を招いた講義や演習を行いました。さらに、留学生を患者役にして問診やバイタルサインの測定を行う演習も実施しました。京都は外国人観光客が多く、また本学は留学生も多いため、「臨床国際コミュニケーション」では、英語能力の向上だけでなく異文化看護の視点も養い、地域で生活するさまざまな人々の看護ができる能力を身につけさせたいと考えました。

3.今後の展開について:今後も、IPECさん(NPO法人プロフェッショナルイングリッシュコミュニケーション協会)の授業を受けてから留学生を患者役とした演習を行うつもりです。今回、留学生を患者役とした演習を終えて、学生から「事前にIPECさんの授業をもっと受けて練習しておきたかった」という要望が多く出たので、次年度はIPECさんの授業時間を増やして、学生が練習できる機会を作ってみたいと考えています。
英語が好きで、さらに学習を深めたい学生も一定数いることがわかりましたので、さらに看護英語を身につける機会を提供したいと思っています。

IPEC: 今後も、より看護業務で使える看護英語の授業をご提供ができるよう努力をして参ります。

IPEC: 学生へのメッセージをお願いいたします。

嶌田先生: 英語が好き・嫌い、得意・不得意というのは個性です。ただ、どんな人であれ、英語ができるということはスキルを持っていることになり、それはそれで強みになると思います。英語は世界中で何億人もの人が使用する言語で、ネイティブでない人も話す言葉ですから、文法や発音に自信がなくても、堂々と話してほしいと思います。

IPEC: この度は、取材にご協力いただきどうもありがとうございました。

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