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【海外の医療現場から】リフトマシーンとリフトチーム

 日本では腰痛は看護師の職業病と言われることもあるようですが、アメリカでも同じです。腰痛は看護師に限ったものではありませんが、「看護師の背部・腰部損傷率は高い」と言っても過言ではないでしょう。その上、アメリカではヘビー級の患者さんが多いのはもちろん、必ずしも太っているわけではないが大柄な人が多く、それだけで患者ケアをしている中で看護師の背部・腰部にかかる負担が大きくなっています。


正しいボディメカニクスを使うレクチャーを院内研修に取り入れたり、院内で背部・腰部損傷を未然に防ぐ取り組みが多くされる中、リフト機械を導入する病院も多くありました。私の働いていた病院もそのひとつで、体位交換、体重測定、転んでしまって床から起き上がれない患者さんをベッドまで運ぶ、などといった用途で使われていました。

リフトを使う、と簡単にいっても結構大掛かりな作業で、一人でできるものではなかったので一緒に働く看護師とお互いに手伝い合いながらやっていました。体重測定を毎日行う必要がある寝たきりの患者さんにはこのリフトが活躍していました(リフトに体重測定の機能があったため)。また、ヘビー級の寝たきり患者さんの場合はベッドからずれ落ちてしまっているのを直すのにもリフトを使っていました。毎回の体位交換では、リフトを使うと時間がかかるので、その場合は人力でなんとかしていました。重過ぎて2人だけでは行えず3~4人がかりでやることも多かったです。

私の友人が働いている病院ではリフトチームというものが存在します。体位交換や他の科に移動する際のストレッチャーへの移乗のときに呼ぶと、何人かのたくましい男女スタッフがやってきてサッと患者さんを動かしてくれるのです。このメンバーの多くは救急隊を目指しながら働いている人たちなのだそうです。このリフトチームは病院全体を回る必要があるので、要請してもなかなか来なかったり、待っていられなくて結局自分たちでやらなければならない、ということも多くあるようなのですが、そんなチームがあること自体うらやましかったことを思い出します。

ブログ執筆者

橋本実和
(米国・日本看護師、米国看護学士)
IPEC看護英語教育アドバイザー

アメリカ・カリフォルニア州のCommunity Collegeで看護教育を経てAssociate Degree in Nursing(ADN)を取得。NCLEX-RN合格後、バークレー市内の病院のがん・血液科病棟にて病棟ナースとして5年間従事。その間にカリフォルニア州立大学にて看護学士を取得。帰国後、IPEC看護英語専任教師として活躍しながら、日本の看護師免許を取得。現在はインターナショナルスクールのスクールナースとして働きながら、IPEC看護英語教育アドバイザーを務める。