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【海外の看護現場から】外国人の思う日本の不思議:マスクは必要?

 先日アメリカから友人が日本へ遊びに来たときのこと。色々な「Why Japanese people…..?」という質問の中、「なんでみんなどこでもマスクしてるの?」「お店の店員さんがしていて失礼じゃないの?」といったトピックが浮上しました。「お店の人がマスクをしていることで驚くのだったら病院に行ってみたらもっとすごいよ。」と説明しながらも、そういえば私も帰国したての頃はこの「日本人のマスクの使用率の高さ」にとても違和感があったことを思い出しました。なぜならアメリカでは街中でマスクを付ける、という行為は一般的ではないからです。「マスク」という言葉から想像するのは「病院」で、日本で皆さんがしているマスク”surgical mask”は、その名の通り「手術用のマスク」、つまり「オペ室で使用するマスク」なのです。


 私もアメリカの病院で働いていたときのことを思い返しますと、マスクの着用は(オペ室以外では)飛沫感染もしくは空気感染で隔離された患者さんの部屋に入るときくらいでした。患者さんの病室から出てきたときに「ぷは〜、苦しかった!」と真っ先にマスクを外していたのを思い出します。病棟の廊下を歩いていても、ナースステーションで作業をしていてもまずマスクをしているスタッフはいなかったと思います。逆にもししているスタッフがいたら、「なんでだろう?」と不思議に思っていたかもしれません。そのようなスタッフがいると「他の人にはうつしてはいけない病気があるのかな?」と思うと同時に、「それなら仕事に来ない方が良かったんじゃないだろうか。」という空気が漂ってしまうのではないかと想像します。それだけ普通に生活をしていてマスクを着用することは一般的ではないのです。

 アメリカで実際にあった例ですが、ある冬、インフルエンザの予防接種を受けなかったスタッフにはマスク着用を義務付ける、という規則を病院側が発表しました。これに対して看護師らは労働組合をあげて反発しました。「患者を守るため」と主張した病院に対し、「そんなことを強制される筋合いはない」と看護師側は闘いました。最終的にどうなったかいまいち覚えていないのですが、結局決着はつかずにインフルエンザシーズンが終わってしまったような気がします。しかし、今それを思い返すと、日本の医療現場とは全く違うな、と思います。

ブログ執筆者

橋本実和
(米国・日本看護師、米国看護学士)
IPEC看護英語教育アドバイザー

アメリカ・カリフォルニア州のCommunity Collegeで看護教育を経てAssociate Degree in Nursing(ADN)を取得。NCLEX-RN合格後、バークレー市内の病院のがん・血液科病棟にて病棟ナースとして5年間従事。その間にカリフォルニア州立大学にて看護学士を取得。帰国後、IPEC看護英語専任教師として活躍しながら、日本の看護師免許を取得。現在はインターナショナルスクールのスクールナースとして働きながら、IPEC看護英語教育アドバイザーを務める。