テスト会場に着くと、まず本人確認をします。そのときに指紋を取られます。受験申請をするときにも素性調査のために指紋を取るのですが、その指紋とテスト会場で取る指紋を比較しているのかどうかは定かではありませんが、テスト当日はテストを受けている途中に会場から出入りができるため、また戻ったときに「受験生がすり替わっていないかどうかを確認するため」という理由を聞いたことがあります。
本人確認が終わった時点でロッカーの鍵が渡されます。テスト室にはロッカーの鍵以外に持ち込めるものは限られています。私は確かリップだけ持ち込んだ記憶があります。テスト室に入るまえに、一枚の白い下敷きのようなものと水性マーカーを渡され、メモ書きにはそれを使います。テスト室の中は壁に面したパソコンがいくつかありまして、指定されたパソコンに行き、テスト開始のボタンを押した時点でカウントダウンが始まります。
制限時間は6時間。質問は最少で75問、最多で265問出されます。この差は受験者の回答によってコンピュータが決めていきます。これをComputer Adaptive Test (CAT)といいます。75問を終えた時点でコンピュータがその受験者が資格を取得するための知識を持っていると判断した場合はその時点で終了します。コンピュータはその時点でその受験者が合格であると判定をしているのですが、その場では結果はわかりません。
大きなテスト室で何百人と同時に受けるのも緊張しましたが、日本の国家試験とは違った緊張感を経験します。
橋本実和
(米国・日本看護師、米国看護学士)
IPEC看護英語教育アドバイザー
アメリカ・カリフォルニア州のCommunity Collegeで看護教育を経てAssociate Degree in Nursing(ADN)を取得。NCLEX-RN合格後、バークレー市内の病院のがん・血液科病棟にて病棟ナースとして5年間従事。その間にカリフォルニア州立大学にて看護学士を取得。帰国後、IPEC看護英語専任教師として活躍しながら、日本の看護師免許を取得。現在はインターナショナルスクールのスクールナースとして働きながら、IPEC看護英語教育アドバイザーを務める。
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日本の看護師国家試験とアメリカのNCLEX-RNを受けたことのあるということでよく質問されるのが「どっちの方が難しかった?」というものです。どちらも決して簡単だとは言えませんが、それぞれの特徴はあります。今回はアメリカのNCLEX-RNについてご紹介します。
一番大きな違いとしては、実施の方法でしょう。日本の場合は一年に一回、全国で同時実施されますが、NCLEXは個人で申し込んで、個人で受ける試験です。認可された看護プログラムを無事に卒業すると、Authorization to Test (ATT)という受験資格が得られ、受験の申し込みをします。このとき、受けたいテスト会場に申し込みます。私はクラスメイト何人かと同じ日に決めて、一緒に行きました。