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【Nursing English in Action】Chapter8 検査と処置:アメリカのナースが行う処置の色々

【Nursing English in Action】Chapter8 検査と処置:アメリカのナースが行う処置の色々

アメリカで、病棟看護師がベッドサイドでよく行う処置といえば、私の中では「採血」と「末梢静脈路の確保」が思い浮かびます。病院によっては、臨床検査室から検査技師がやって来てその日採血のオーダーがある(CVラインがない)患者さんの採血をしていくのですが、私が働いていた病院では、基本的に患者担当の夜勤の看護師が行なっていました。

夜勤専属で働いていた私は最初は苦手意識を持っていたのですが、多くの様々な静脈の状態の患者さんの採血をこなしていくうちに、hardstick(採血が難しい)の患者さんに挑戦するのが楽しく思えるようになりました。

逆に、IV start(末梢静脈路の確保)に対しては苦手意識は無くなりませんでした。夜勤では、ラインが抜けてしまった、あるいはうまく点滴が入らないなどの場合のみ新しくIV startをするため、経験する機会があまりなかったのです。

IV startは、学生時代に学校の実習室でマネキンの腕で練習し、病院実習時についていた看護師に「やってみる?」と言われて実際に患者さんにさせてもらいました。今考えてみると、よく患者さんも学生の練習台になってくれたな、と感心します。

働き始めてからは、手術前検査室で1日中ずっと患者さんにIV startを行ったこともありました。夜勤中にやってみる機会があった時も中々うまくできず、ベテランナースにお願いすることも何度かありました。

病院によってはIV nurseがいて、IV startが難しい患者さんがいる場合にお願いすることができるようです。またPICC(peripherally inserted central catheter末梢挿入中心静脈カテーテル)line nurseという特殊な資格を持つナースもいて、ベッドサイドでPICC lineを挿入することのできるナースもいました。

私の経験の中で、こんなこともナースができるんだと驚いたのが、造血幹細胞移植でした。私が働いていたがん・血液科の病棟では、当時造血幹細胞移植を行なっていました。

移植を受ける患者さんは専用の病室に移植の1週間前に入院をし、移植に向けて色々な検査や化学療法などを受けるのですが、その前からその患者さんの移植を担当する看護師が決められます。その看護師は造血幹細胞移植の講習を受け、働いているときは必ずその患者さんの担当になります。

移植当日は担当患者はその一人だけです。病室に血液バンクから移植する細胞液のバッグが運ばれて来ます。ベッドサイドには担当看護師、移植コーディネーターと血液バンクのスタッフが患者さんを囲みます。造血幹細胞の輸注が始められる最初は医師もベッドサイドにいるのですが、輸注が始まり、患者に問題がない場合はナースステーションで他の業務をしながら待機している状況で、実際に「移植」をしているのは看護師でした。細胞液を輸注しながら合間にバイタルを測定し、患者さんに異変がないかモニターをします。

看護師の行う処置といっても採血のように比較的「簡単な」ものもあれば、このような移植まであります。本当に様々なことが行える幅の広いプロフェッションですよね。

ブログ執筆者

橋本実和
(米国・日本看護師、米国看護学士)
IPEC看護英語教育アドバイザー

アメリカ・カリフォルニア州のCommunity Collegeで看護教育を経てAssociate Degree in Nursing(ADN)を取得。NCLEX-RN合格後、バークレー市内の病院のがん・血液科病棟にて病棟ナースとして5年間従事。その間にカリフォルニア州立大学にて看護学士を取得。帰国後、IPEC看護英語専任教師として活躍しながら、日本の看護師免許を取得。現在はインターナショナルスクールのスクールナースとして働きながら、IPEC看護英語教育アドバイザーを務める。

Nursing English in Action

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