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【Nursing English in Action】Chapter 5 病棟内のオリエンテーション:病院での所有物の管理

【Nursing English in Action】Chapter 5 病棟内のオリエンテーション:病院での所有物の管理

日本の病院では、患者さんの病室に貴重品を入れておける金庫のようなものがあるのが一般的だと思います。このようなものはアメリカの病院では見られないものです。と言いましても、私の経験上北カリフォルニア・サンフランシスコ郊外にある病院しか見て回ってないので、それ以外の地域では存在するのかもしれません。それでもあまり見ないものだと思います。

患者さんが入院する時に「貴重品としてお預かりするものはありますか?」と尋ねて、もしある場合には、預かるもの全てを患者さんと一点一点一緒に確認をして(現金がある場合は全て数えて)、大きめの封筒に入れて封をし、封の上に患者さんがサインをし、nursing supervisor※に病院の金庫に入れてもらうという作業があります。預かったものは別紙に記入し、退院の時に忘れないよう患者さんのカルテの一番最初のページに入れていました。

病院の金庫にお財布などを預けてしまったら、後で売店で何か買わないといけない時にどうするんだ?とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。アメリカの病院では一般的に、日本の病院にあるような売店はありません。あるのはその名も”gift shop”で、お見舞いにくる面会者がお花や風船などを購入できるお店になります。お菓子や飲み物もある程度売ってはいますが、種類は限られています。あまり患者さんが利用するものではありません。逆に私は日本の病院に行った時に、コンビニや有名なコーヒーショップの店舗が普通に入っていることにびっくりしました。アメリカでまず見ない光景です。

以前のコラムで、入院をする時に一通りの日常生活必需品は病院側が患者に提供するというお話をしました。

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このため、何かが必要になっても「下の売店で買って来てね」と、患者さんに言うことはありませんでした。身の回りで必要なものは病院で提供するもので間に合わせるか、気に入らない場合は家族や友達に外で買ってきてもらうことになっていました。

お金以外でも、携帯やパソコンなどは日々のコミュニケーションツールになるので、まず病院に預けている患者さんはいませんでしたが、それらが盗まれてしまうといった話はあまり聞きませんでした。全く起こらないわけではないとは思いますが、「治安の悪いアメリカ」というイメージのわりには意外と問題にはなっていませんでした。

貴重品とは少し違いますが、患者さんが持ってきた薬も入院中は病院の薬局で預かっていました。同じ薬が入院中にも処方されるとしても、入院中に患者さんが外から持ってきた薬を飲んでもらうということはありませんでした。こちらも専用の用紙があり、一つ一つ患者さんと一緒に確認をして、その後まとめて薬局に預けにいくという作業でした。

病院内での所有物の管理に関しては、アメリカの方が日本に比べて病院側が細かく管理しているように思えて意外ではないでしょうか。

※nursing supervisorはどの科・部にも所属していない「師長」のような役職ですが、日本の病院の「師長」とも違います。
病院全体の日々の「動き」を把握している役の人で、例えばemergency departmentから患者が入院すると決まった時にその患者がどこの病棟に行くか決め、その病棟のナースステーションに連絡をとるなどといった役割をする人です。また、病棟ごとの患者数、それに対する看護師数なども把握していて、staffing departmentと一緒にシフトごとの看護師の配置を決める権限も持っています。