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【Nursing English in Action】Chapter 5 病棟内のオリエンテーション:ユニーク(?)な病院生活

【Nursing English in Action】Chapter 5 病棟内のオリエンテーション:ユニーク(?)な病院生活

アメリカの病院での入院期間は、同じ診断・治療をすると仮定した場合、日本の病院に比べてかなり短いと思います。医療費が日本に比べて高額なので、1日も早く患者さんを退院させることが目標となり治療スケジュールもかなり日程的に詰まったものになります。それでも診断名や治療方針によっては、すぐに退院させられない場合もあります。

私がかつて働いていたがん・血液科の病棟では、その当時造血幹細胞移植を行っていて、その治療で入院してくる人は最短でも3週間は入院していました。免疫が抑制された状態になるため、必ず個室で、しかもその個室はかなりゆとりのある間取りでした。病院で過ごすほとんどの期間はその部屋で過ごさなければならず、そこがまさに「生活の場」になっていました。

患者さんの中には、個性を出すために病室のインテリアを工夫し、空いている壁のスペースを使って家族や友達の写真ギャラリーのようにしたり、壁と天井の境にクリスマスライトを張り巡らせたりして、少しでもアットホーム感を出せるようにしていた患者さんもいました。

ある患者さんは、点滴台はどこへ行くにもいつも一緒ということで“Rosie”という名前をつけ、紙に顔を書いて点滴液のバッグに貼り、お手洗いに行くときも“I have to take Rosie with me”(ロージーを一緒に連れて行かなきゃ)と言っていました。

また、別の患者さんは、複数のチャンネルがある点滴台が必要で、点滴バッグがいくつも吊るされているのを見て、「クリスマスツリーみたいだ」と言い、ケアの邪魔にならない程度に飾り付けをしてみたりする人もいました。

口腔粘膜炎がひどくなりすぎて栄養輸液でしか食べられなくなった患者さんは、「それでも食べたいんだ」という意思表示のために、料理雑誌のご馳走のページを切り取り、栄養輸液に貼って自分を慰めていた患者さんもいました。

夜勤専属で働いていた私の個人的な思い出は、唯一「夜勤でしか体験できない」イベント、大晦日のカウントダウンです。もちろん体調の悪すぎる患者さんで夜中の0時まで起きている人はあまりいませんでしたが、たまにテレビをつけていてカウントダウンまで頑張って起きている患者さんがいる時は、一緒に見てお互いに“Happy New Year!”と言い合って、それに続く花火も一緒に見たりしていました。

全く日常と違う環境の中でも、できる限り居心地の良さを追求し、できる限り「普段どおり」の環境を創り出す、もしくは少しでも楽しい気分になろうとすることで病院生活を乗り越えている患者さんがいっぱいいらっしゃいました。とんでもなく辛い、大変な状況でも「和気あいあい」と過ごせる患者さんはすごいな、といつも感心していました。