2022年4月12日
特定非営利活動法人 プロフェッショナル イングリッシュ コミュニケーション協会
バーチャル・リアリティ(VR)とは何か
バーチャル・リアリティ(VR)と聞くと、ゲームや映画の世界を想像する方が多いのではないでしょうか。 まず、バーチャル・リアリティとは何か、を知りましょう。
バーチャル・リアリティ(Virtual Reality)とは、「現物・実物(オリジナル)ではないが機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザーの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術、およびその体系のことを指し、略語としてVRが使われる。(本文でも以下VRとします。)日本語では「仮想現実」と訳されることが多い。ユーザーが直接知覚できる現実世界の対象物に対して、コンピュータがさらに情報を付加・提示するような場合には、拡張現実(AR:Augmented Reality)と呼ばれる。」(Wikipediaより抜粋) と、されています。
従来多くの人がゲームや映像などエンターテインメントの世界でこのVRに親しんできましたが、今このシステムは不動産分野や観光分野、また小売りシステムの分野など様々なビジネス分野で活用されています。
2020年、文部科学省は「専修学校における先端技術利活用実証研究」の事業概要を発表し、日本も様々な専門学校でのVR・ARの導入に本腰を入れ始めました。採択されたプロジェクトの中には医療専門学校の実証実験も含まれています。
新型コロナウイルス感染拡大下、対面授業がままならない中で需要が高まったVR。感染が収束したとしても、新型コロナウイルス感染拡大前と全く同じ世界に戻るとは考えにくく、また人口減少に直面していく今後はますますVRが活用される場が多くなるのではないかと推測されます。
ではVRの導入が看護教育に何をもたらすのか、を考えてみたいと思います。
VRは看護教育に何をもたらすか
先に挙げた文部科学省「専修学校における先端技術利活用実証研究」の事業概要によると、アメリカでは看護教育において、新型コロナウイルスの感染が拡大する前からVR教材の使用がトレンドとなっており、2020年時点で800学区以上の技術専門学校や医療専門学校、大学などでVRを活用した学習が行われています。
実際にVRを利用して授業を行っているアメリカの2つの大学(Salem State University, Purdue University)が考える、現状でのVR学習のメリット・デメリットをまとめました。
機材の維持やサポートの確保の仕方が確定しない、またVRの効果的活用に長けた人材の確保もままならない中で多額の費用をかけて導入に踏み切ることの難しさも理解できますし、VRは没入型の学習になるため、副作用も懸念材料になります。しかし、デジタル技術の進化は日進月歩であり、そう遠くない未来に、より安価で簡単に導入が可能、かつ副作用も少ないVRが開発されることが十分に考えられます。また、医療分野はVR技術の応用が期待される分野のひとつであり、その教育においてもますます活用が求められていくでしょう。
看護は対面で行うものであり、ここが基本であることに変わりはありませんが、VR教材により、学生がいつでも実践さながらに学習ができ、また患者に負担をかけることなく「看護師」になる前に多くの臨床の場面のシミュレーションができることは、今後の看護教育を大きく変える可能性があります。ゲーム世代の若い人たちにはポイント制やスコア制を取り入れることでやる気を引き出すこともできるでしょう。また新型コロナウイルス感染症の影響下の状況だけではなく、刻々と変わる世界情勢の中で安定的に供給できる教材としても評価できます。
看護教育の場におけるVRを含むデジタル技術の活用は今後もどんどん進化いくと思われます。教育従事者も医学、看護学のみならずデジタル技術に関する最低限の知識を備えておく必要があるでしょう。
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