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【帰国ナースの独り言】 第2回:米国での患者体験: リスに咬まれて

【私の英語学習法】ジャーナル・ライティングで英語力と自分自身を磨く

奈良公園で外国人旅行客がシカに襲われ怪我をする事故が起きているというニュースを見ました*¹*²。実は私自身もかつて米国留学中に、基本的な注意を怠ったばかりにリスに咬まれるという事態を起こし医療機関を受診した経験があります。

ここでは、私の異変に気付き助けてくれた米国の大学生たちの事、ERでの患者体験、そして日本で外国人観光客の方が動物による咬傷で来院された時の英会話について述べてみようと思います。

“You should go to the emergency room!”

事件が起きたのは1997年9月に米国ニューヨーク州の大学に留学してわずか1ヶ月後でした。車道に横たわる野生のリスを素手で移動させようとして右手中指を咬まれてしまったのです。

呆然としていると通りがかりの、多分同じ大学に通う学生達が私の異変に気付き、こちらを見ていました。私は”Is there a hospital nearby?” (近くに病院はありますか。) と彼女たちに聞きました。

そして、”I was bitten by the squirrel.” (リスに咬まれました。) と話すとすぐさま ”Go to the emergency room!” (救急に行かないと!) “You should get a tetanus shot!” (破傷風ワクチンを打たなければならないよ。) と言われました。そしてそのうち1人が親切にも “I’ll give you a lift, come on!” (車に乗せてあげるよ、おいで!) と言い、私を近くの病院のER前まで車で送ってくれました。 give someone a liftとは、誰かを車に乗せてあげるという意味です。それにしても、動物に咬まれたらtetanus shot (破傷風ワクチンの事) を打つとアドバイスをくれた人は看護学生だったのでしょうか。

ERでの体験

受付を済ませ、やるせない気持ちでERの待合室にいると、ほどなく男性の看護師に呼ばれました。診察室では事の経緯、既往歴、内服中の薬やアレルギーなどの問診が行われ、そして患部を軽くガーゼ保護したのちレントゲンへと促されました。放射線技師は ”Put the middle finger up and lay it on the board, (その中指を立てて板の上に寝かせてください) but don’t show ‘me’ that finger!” (でもその指を僕に見せないでね!) と苦笑しながら言いました。中指を立てて人に見せるという事はご存じの通り、大変な侮辱になりますね。そうして私の中指は3方向から撮られ、再び診察室に戻ると医師に歯のかけらや骨の異常などはないと確認され、きちんと傷の処置を受け、破傷風ワクチンを接種してもらい終了となりました。薬は何も処方されませんでした。その後、幸い傷はそれほど腫れたり痛んだりしませんでした。今も残る指の傷跡を見るとあの親切だった学生達を思い出します。

もし動物に咬まれた外国人観光客があなたのクリニックを受診したら

咬傷は放置すると蜂窩織炎や骨髄炎などの深刻な感染症をもたらす可能性がありますね。一般的に咬傷(animal bite wound)がある場合、傷の十分な洗浄、抗生剤の投与、破傷風の予防注射、場合によっては創を切開し拡大した状態で開放創として洗浄処置をする事などが行われています。咬傷を負った患者さんに話をする際の為に覚えておきたい英語表現は沢山ありますが、ここでは3つだけ書いてみます。

1. Let’s wash your wound with water.(傷を水で洗いましょう。)

2. The doctor will prescribe antibiotics. Take all the medications as prescribed.(医師が抗生剤を処方します。処方通りに薬を全部飲みきってください。)

3. Please have your wound checked by a doctor when you return to your home country.(本国に帰ったら医師に傷を診てもらってください。)※すぐに帰国する方の場合

英単語は特にwound (傷)や antibiotics またはantibacterial(抗生剤)などは覚えておくと良さそうです。私は wound を「うーんと膿んどるウーンド」、antibacterialを「兄貴バック転やるよ」みたいにして覚えました。バック転の練習をやりすぎた兄貴が、体中傷だらけになりあちこちに抗生剤を塗りガーゼを貼っているイメージです。咬傷の処置について詳しくはガイドラインなど*³を参考にして下さい。

animal bite wound は先述の通りとんでもない合併症を起こす可能性があるので放置はせず医療機関をすぐに受診しなければなりませんね。「~を咬む」という意味のbite【bait】ですが、ビテではなくバイトゥの様に聞こえます。

以前東京都内でリス園のある動物園を訪れた事があります。そこでは若い方達が働いており、そのうち1人が餌やり用に特殊な手袋があるのでどうぞ、と貸してくれました。アルバイトかもしれません。「兄もバイト、姉もバイト、animal bite。」動物による咬傷には注意したいですね。

ブログ執筆者

永塚志保 (元米国看護師、日本看護師)
日本で准看護師として6年間病棟勤務後渡米し、米国N.Y.州のCUNY/College of Staten Islandに入学。準学士課程修了しN.Y.州看護師試験合格。6年間州内の病院で看護師として勤務しながら同大学で学士、修士課程修了。帰国後日本の看護師国家試験に合格し、神奈川県内の病院勤務。英検®1級。

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