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【帰国ナースの独り言】 第3回:申し送り:英語の聞き取りは辛いよ

私が米国ニューヨーク州の病院で看護師として働いていた時、早口なニューヨーカー達の英語の聞き取りには勿論苦労していましたが、特に大変だったのはインド出身の方の独特の訛りのある英語です。その一方で、フィリピン人の仲間たちの英語は聞き取り易く感じました。ここでは、ニューヨーク生まれのネイティブ、インド人、フィリピン人の看護師の方々から申し送りを受ける中で英語について私が感じたことをお話したいと思います。

速さと音声変化に悩まされたニューヨーカーの英語

私が英語の聞き取りに苦労した原因は殆どの場合、文章の一部が省略されたり幾つかの英単語がくっついて発音されたり、tの音が「ラ行」に変化した為だと思います。

例えば“You know what I’m saying?”(私の言っている事がわかりますか?) が“ユーノーワライㇺセイン?”と聞こえていました。ここではdoは省略されているしワライム、のように音がくっついて聞こえる部分があります。他にも“no problem”(問題ないですよ) が“ノープローンー”のように聞こえました。“ro”の部分が強く発音され“ble”の部分は弱くはっきりと聞き取れない為でしょうか。また、tの音が「ラ行」に変化しているように聞こえ、例えば“out of bed to chair”(離床し椅子へ) が”アウラベットゥチェアー”、“mechanical ventilator”(人工呼吸器)が“メキャニコヴェンリレイラー”のように聞こえました。

しかし同じ語やフレーズを何度も聞く事で聞き慣れていき、更に、ネイティブ達のそういった言い方の癖を自分も真似て話しているうちに他の言葉も聞き取りやすくなるというサイクルに入る事ができました。

ネイティブでさえも聞き取りにくいインド人の英語

インド出身の方と英語で話していた時に感じていたのですが、rの発音に巻き舌音が含まれ独特の訛りがありました(程度は人によりますが)。私の職場には看護師で4人、薬剤師で1人、医師で1人のインド出身の方がいました。彼女らや彼らは話し終わるといつもニコッと笑顔を見せてくれ、私は少なからず申し訳なさを感じていました。全部は聞き取れない・・・でも、ポイントとなる部分だけはしっかりと質問し復唱をして、“You mean, …?”と自分が正しく理解できているかの確認をとるようにしました。

ところがある日、英語が母国語の米国人でさえもインド人の英語が聞き取れないことがある、という事を知りました。白人の看護師ジョン(仮名)に私はこう尋ねました。インド出身のチャーマ(仮名)が申し送りをしてくれるのだけれどよく聞き取れない、ジョンはわかる?と。なんと彼自身殆ど彼女の英語を聞き取る事が出来ず、残された記録を読む事で患者さん達の状況を把握していると答えたのです!しかしチャーマが彼に申し送っている間は、ジョンは頷きながら聞いていました。皆さんの医療機関にも英語を話すインド出身の患者さんがお見えになるかも知れません。そんな時はrの巻き舌音の事を思い出してみて下さいね。

一番聞き取り易かったのはフィリピン人看護師達の英語

職場にいた白人とアフリカ系米国人以外のスタッフで一番人数の多かった人種はフィリピン人達でした。彼女達の英語は聞き取り易く私と価値観も似ているので、すぐに友達になりました。彼女達は母国語としてフィリピン語を話しており、英語は第二言語でした。省略や音の変化が比較的少なく単語一つ一つがはっきりと聴こえました。フィリピン人看護師からの申し送りは聞き取り易い為、初めは苦手だった他部門からの電話による申し送りも彼女達から受ける度に苦手意識がなくなりました。

私のコラムは今回で終了です。いつか皆様にお会いできる日を楽しみにしています。看護英語のアウトプットを増やし、楽しみながら学習を続けて下さいね。
ご参考までに、最後に幾つか私流の単語暗記法をご紹介します。

日本語 英語 発音 覚え方
入院 admission 【ədmíʃən】 入院は病院内の冒険・アドベンチャーミッション、略してアドミッション。
退院 discharge 【distʃáːr dʒ】 元気をチャージし終えた患者さんを出す。出すチャージ、ディスチャージ。
診断名 diagnosis 【dàiəɡnóusis】 大学の背椅子、ダイアグノセイス。座り心地良すぎて、診断名は、爆睡。
結果 results 【rizʌ́lts】 膝を強打し激痛が続くのでレントゲンを撮ったとします。結果はリザルツ。ヒザウツ、リザルツ。単数ではresultですが、普通は複数形で話されています。
レントゲン X-ray 【éksrèi】 くすれい、の略でエクスレイです。まさか、くすぐってくる放射線技師さんはいないと思いますが。
血液検査 blood test 【blʌd test】 ブラッテスト。検査室へは手ぶらでブラっと立ち寄るイメージです。
超音波 ultrasound 【ʌ́ltrəsaund】 ネイティブの発音はほぼ、オートーサーン、お父さん、に聞こえました。“オ”にアクセントを置いて下さい。

ブログ執筆者

永塚志保 (元米国看護師、日本看護師)
日本で准看護師として6年間病棟勤務後渡米し、米国N.Y.州のCUNY/College of Staten Islandに入学。準学士課程修了しN.Y.州看護師試験合格。6年間州内の病院で看護師として勤務しながら同大学で学士、修士課程修了。帰国後日本の看護師国家試験に合格し、神奈川県内の病院勤務。英検®1級。

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