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ニュージーランド看護師体験ブログ Part2

皆さん、毎日ジメジメして暑い日が続いていますが、いかがお過ごしですか?
さて、今回はIELTSの勉強について森本さんにお伺いしました。IELTSは、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドだけではなくアメリカで看護師になる際にも取り入れられている英語能力判定試験の一つです。そして、看護師として働くにはIELTSで高いスコアが求められます。IELTSとは何か?また、森本さんはどのように勉強されたのか、など、海外で看護師として働くことを目指している方にとっては参考になることばかりです!

IELTSはどのような英語能力判定試験ですか?

IELTSとはInternational English Language Testing Systemの略で、主にイギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの教育機関で受け入れられており、アカデミック・モジュール(大学や他の高等教育機関への出願のためのテスト)とジェネラル・トレーニング・モジュール(仕事や移住関係に関わる英語のテスト)の2種類があります。Listening、Reading、Writing、Speakingの4項目でそれぞれ0から9のバンドスコアで示されます。

ニュージーランドで看護師として登録するためにはIELTSのアカデミック・モジュールで平均6.5~7.0(2002年時点)が必要です。 *現在では、各項目7.0を1年かけて取得することが条件になっています。

IELTSのアカデミック・モジュールで6.5~7.0というのは他の試験と比較するとどれくらい?
各英語能力試験(IELTS・英検・TOEIC・TOEFL)の点数を比較したり換算したりするのは、試験問題を作成した機関が違うため難しいといわれていますが、おおよその目安としては以下になります。
IELTS 英検 TOETC TOEFL(iBT/CBT)
6.5-7.0 準1級-1級 840 – 900 97 – 104 / 245 – 250
IELTSの勉強を始める前の英語力を教えてください。また何歳からTOEICの勉強をはじめましたか?

IELTSの勉強を始める前はワーキングホリデーでニュージーランドに1年住んでいたので、簡単な日常英会話は何とか話せました。帰国後、暫くしてTOEICを受け、550点でした。
TOEICの勉強を始めた時は31歳です。

IELTSの受験対策は日本でされたのですか?それともニュージーランドですか?また、なぜその国での勉強が良かったのか教えてください。

皆さん色々な勉強方法があると思いますが、私は、日本ではなくニュージーランドでIELTSの勉強を始めようと思いました。というのは、当時、生活費や授業料が日本よりも安かった(1NZ$=約49~55円)事と、英語を総合的に伸ばすには毎日の生活を英語漬けにする事が何よりも早くIELTSの高得点に繋がると知人の英語教師にも勧められたからです。後は、医療英語に触れる機会が欲しかったので、老人ホームのボランティアを週1で行い、高齢者の方々が話す英語を学びました。例えば、「トイレに行きたいんだけど。」を高齢者の方は「I’d like to go to the lavatory.」という表現をされる方もいて、語学学校では学べない色々な表現を学べました。 また、就職の際に有利になる所長からの推薦状*も書いて頂きました。日本の環境ではなかなか出来なかった事だと思います。

*ニュージーランドでは就職の際に前の職場の推薦状が必要になります。その人の労働状況を電話や手紙で確認されます。

IELTSの勉強方法と、目標スコアまでにかかった期間を教えてください。
はじめは、家庭教師を週1~2回(2時間/回)4ヶ月続けた後、IELTSを受け平均5.5でした。
語学学校より家庭教師を選んだ理由は、「Speaking」で発音や文法の間違いなく正確に話すことに集中したかったからです。やはり、看護師として仕事をしていく上でコミュニケーション力は不可欠なので、自分の弱点を強化する為にもとても役立ちました。その後、語学学校のIELTSコースに3ヶ月通った後、平均6.0。更に同じIELTSコースを3ヶ月続けた後にやっと目標の平均6.5まで達成。結果的には、10ヶ月間で目標スコア6.5が取れました。
IELTSの勉強で大変だったことは何ですか?

人それぞれだと思いますが、私自身は、10年ぶりにテスト勉強する事が何より大変でした。IELTSの中では「Reading」が一番難しかったように思います。なぜかといいますと、アカデミック(学術的)な内容全体を理解した上で答える問題(例:原子の構造、防音壁の原理など)などがあり、日本語でも専門的な用語の内容を理解するのは難しいのに、英語だと尚更です。時間内にすべて回答できたことはほとんどありませんでした。常日頃より英語の色んな文献を読んでいたら良かったと後悔しました。

後は余談ですが、実は、計画していた期間内(7ヶ月間でIELTS 6.5取得)にIELTSの目標スコアがとれず、学生VISAの延長と、生活費を工面するのにひと苦労しました。3回目のIELTSの試験前の1ヶ月は毎日図書館に行き、IELTSの試験当日と同じ流れで必死になって練習問題をやりました。

IELTSの結果を送った後はどうなるのですか?

日本人看護師の場合、その当時(2002年)はIELTSの平均7.0でRegistered Nurse(RN:正看護師)に登録でき、IELTS平均6.5の場合は、看護専門学校で行われるCompetence Assessment Program(CAP)*の研修を終了するよう、Nursing Council(日本での看護協会または厚生労働省にあたる所)より通知がきます。

*現在は、IELTSの各項目(Listening、Reading、Writing、Speaking)を1年かけて7.0とる事で正看護師として登録できます。また、CAPの研修を受ける人も同スコアが必要になります。

今回、森本さんのIELTSの勉強での苦労がよく伝わってきたと思います。次回は「Competence Assessment Program(CAP)とは?」についてお伝えしていきます!

ブログ執筆者

森本 博美さん
日本・ニュージーランド・カンボジア看護師
国内で看護師として病棟・外来の臨床経験を経て、保健師として保健所に勤務。その後、ニュージーランドへ渡りワーキングホリデーを体験後、看護師免許を取得。クライストチャーチのPublic Hospitalの整形外科病棟に6年、老人ホームに約2年勤務。2014年にカンボジアに渡り、現在日系クリニックで看護師として活躍中。

※ 本ブログは森本さんが留学された当時の情報です。現在とは異なる場合がございますので、必ず最新情報はご自身でお調べください。

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