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私がオーストラリアの看護師になるまで
第1回:看護師になるための学習奮闘編

オーストラリア

皆さん、初めまして。
オーストラリア看護師の松本真由子です。

2021年4月に帰国するまで、17年間オーストラリアのメルボルンで過ごしていました。私は、日本で英語科の短大を卒業してすぐに渡豪したため、日本の看護師免許は持っていません。私がオーストラリアの看護師になるまでの道のり(2004年から2008年頃)、英語の学習方法、現地での就職活動、そして現地での業務内容などについてご紹介します。

そもそもなぜ、日本の看護師ではなく、海外の看護師になろうと思ったのか。理由としてはいくつかあるのですが、そのうちの1つが働く時の服装です。動きづらそうなスカートで働いている日本の看護師。動きやすそうなスクラブパンツで働いている海外の看護師。現在は、日本でもスクラブパンツで働く看護師が増えていますが、当時はスカートが主流で大いなる疑問でした。また、英語を使って仕事をしたかったこともあり、海外で看護師免許を取得しようと思ったのがもう一つの理由です。オーストラリアのメルボルンを選んだ理由としては、体験留学で住みやすそうだと感じたこと、素晴らしいホストファミリーとの出会い、多くの大学があることなどです。

さて、日本の看護師免許がない私が、オーストラリアで看護師になるにはどうしたらいいのか、まずはリサーチから始めました。当時の私は、TOEFL iBT®のスコアが約45点しかなく、加えて短大卒ではオーストラリアの高校卒業レベルとは認められず、大学に入学する資格がありませんでした。そのため、大学へ入学するためには、まずオーストラリアの高卒レベルの資格を取らなければなりません。英語力の向上→約8か月のFoundation Studies→大学の看護学部という流れです。私は、この一連の流れを同じ学校でできたらと思い、ラ・トローブ大学を選びました。この過程で大切だったことは、「すべて自分でやる」ということです。大学やコースの資料集め、大学とのやり取りなど、すべて英語でやらなければならないため、自然と英語の勉強になるからです。もちろん初めてのことなので、ストレスはありました。ただ、これが看護留学の第一歩です。

【英語力の向上】

まずは、語学学校です。Foundation Studiesに入学するには、IELTS 5.5程度の英語力が必要でした。日本人留学生は同じクラスにおらず、アジア圏や中南米の留学生ばかりで、読み書きや授業を聞くリスニング力が鍛えられたと思います。もちろん、留学生同士の会話もありましたが、お互い片言で訛りのある英語。その分、自分の英語がどんなに下手でも、とにかく話してみるというスタンスでスピーキング練習ができました。また、ネイティブの英語に触れるのも留学ならではだと思います。私の場合、大学敷地内の寮で生活をしており、地方出身のオーストラリア人が多く暮らしていたため、環境に恵まれていました。数人の日本人留学生もいましたが、留学中は日本語で話さないと決める人もいました。私の場合は日本人とは日本語で話すことで、留学生活のストレスを軽減していました。

【Foundation Studies】

次に、Foundation Studiesです。このコースでは、英語、数学、生物、化学を学び、最終試験という流れです。大学の各学部が入学条件として、最終試験の点数を設定しているので、達成できれば入学できます。ただ、実際に英語で専門の教科を勉強するというのは、想像していたものとは全く違う次元でした。特に化学は先生の言葉が専門用語ばかりで全く理解できず、すぐに相談に行きました。このコース中は食らいつくのに必死で、寝食お風呂以外の時間はすべて勉強。今なら絶対にしませんが、カフェインタブレットを飲み、睡眠を削って予習復習を徹底しました。

【大学の看護学部】

ラ・トローブ大学看護学部は3年制です。1年生9科目、2年生と3年生は各8科目。そして、1年生の2学期から実習も始まります。3年生には、クリニカルスクールというシステムがあり、提携している病院で実習をしたり授業を受けたりします。実習先はほぼ希望を出せません。授業のスタイルとしては、学生全員で受けるレクチャー、グループごとにわかれるチュートリアル、そして実習です。それぞれの科目ごとに合格条件として、論文・試験・実技テストなど2-3つのアサイメントがあります。1つでも科目を落とすと自動的に1年留年です。そのため、アサイメント対策は必須です。特にほぼすべての科目にあった論文のアサイメント。留学生としてのポイントは、英語を間違えないということです。私は、大学にあるスペルや文法をチェックしてもらうシステムを利用していました。ケアレスミスなどがなくなり、減点を抑えることができます。

※本ブログは松本さんの滞在当時の情報です。現在とは異なる場合がございますので、必ず最新情報はご自身でお調べください。

執筆者

松本真由子プロフィール

オーストラリア看護師 松本 真由子

o-sutoraria オーストラリア、メルボルンにあるラ・トローブ大学で学び、看護師免許取得。取得後、ロイヤル・メルボルン病院の脳神経内科、感染症病棟、総合内科などで勤務。働きながら、2011年オーストラリアン・カソリック大学大学院にて、Graduate Certificate in Clinical Practice (Medical)を修了。
2012年よりAssessment and Planning Unit(現:Acute Medical Unit)へ異動し、Clinical Nurse Specialistを経て、Associate Nurse Unit Managerとして勤務。 看護師長代理、ロスター・マネージャーを経験。2020年3月、病棟がコロナ対応病棟として稼働。2021年帰国。

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