私が勤めていた病棟のシフトは、主にAM shift(午前勤07:00-15:30)、PM shift(午後勤13:00-21:30)、Night shift(夜勤21:00-07:30)の3種類ありました。通常、午前と午後の勤務は1人の看護師が4人の患者を担当し、夜勤の場合は1人の看護師が最大8人の患者を受け持ちます。その日担当する患者は、シフト責任者の看護師により指示され、担当する患者は日によって替わることもあります。特に、看護をするにあたり看護師側が体力的、精神的にダメージを受ける患者がいる場合は、日によって担当看護師を替え、お互いの負担を減らします。また、病状が不安定な患者がいる場合はベテラン看護師を担当につけることもあります。
病棟によっては、チームナーシングというシステムを取り入れているところもあります。看護師が2人1組になり患者を担当することです。午前と午後の勤務の場合、2人の看護師に対し8人の患者を担当します。チームナーシングでは、タイムテーブルを共有し、ペアになった看護師とコミュニケーションを密に取りながら連携することが大切です。
07:00 | 申し送り、担当する患者の決定、タイムテーブルの作成 |
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07:30 | Obs(Observations バイタルサインチェックを意味します)、薬の投与、朝食や清潔ケア介助、検査への付き添い、 血液検査、回診など。(09:30頃から交代で15分程度の休憩) |
12:00 | 昼食介助、薬の投与 |
13:00 | 申し送り |
13:30 | 昼休憩 |
14:15 | 教育講座 |
15:00 | 午後勤スタッフから引き継ぎ、残っている仕事などをする(この間に午後勤のスタッフが15分程度の休憩に入る)、カルテ記入 |
15:30 | 退勤 |
タイムテーブルは、申し送り後に各々で作成します。A4サイズの用紙に、縦欄に患者名、横欄に1時間毎の時間を記入します。バイタルチェック、薬の投与、検査に行く時間など、それぞれの患者に必要なことを書き出し、それを基に働きます。
例えばこのような感じです。
*MSU= Midstream Specimen of Urine (中間尿、尿検査)
*PAC= Pressure Area Care (褥瘡ケア・予防)
基本的にオーストラリアでは、残業システムはありません。15分残っているだけで、なぜまだいるの?と聞かれ、それが毎回続くと仕事ができないと思われます。また、自分の退勤時刻までに終わらせられない仕事がある場合、遠慮なく次のシフトのスタッフに引き継ぎます。病院・病棟は24時間の現場なので、お互いにカバーしあい、チームワークが大切だという文化が根付いています。
Graduate Program時に比べるとサポートは減りますが、何かあればすぐに誰かに聞ける環境が整っています。2年目はまだまだ学びの時期であり、看護師としての自信や判断力などを養っていく時期でした。
次回のコラムでは申し送り、投薬についてご紹介します。
※本ブログは松本さんの滞在当時の情報です。現在とは異なる場合がございますので、必ず最新情報はご自身でお調べください。
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オーストラリア看護師 松本 真由子
オーストラリア、メルボルンにあるラ・トローブ大学で学び、看護師免許取得。取得後、ロイヤル・メルボルン病院の脳神経内科、感染症病棟、総合内科などで勤務。働きながら、2011年オーストラリアン・カソリック大学大学院にて、Graduate Certificate in Clinical Practice (Medical)を修了。
2012年よりAssessment and Planning Unit(現:Acute Medical Unit)へ異動し、Clinical Nurse Specialistを経て、Associate Nurse Unit Managerとして勤務。 看護師長代理、ロスター・マネージャーを経験。2020年3月、病棟がコロナ対応病棟として稼働。2021年帰国。