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オリンピックコラム#1:熱中症

熱中症

2020年東京オリンピック・パラリンピック開催が近づいてきました。今回からオリンピックコラムと題しまして、オリンピックx医療に関連する英語の話を紹介したいと思います。

今回のオリンピックでは、医療の話をする上でまず避けて通れないのが「熱中症」ではないでしょうか。オリンピックが東京で開催されることが決まる前はそれほど騒がれなかった問題ですが、決まった途端と言っていいのでしょうか、「真夏の東京で開催して本当に大丈夫か?」「選手たちばかりか、観客も危ないのではないか?」など、問題視されるようになったと感じます。

日本人の選手や観客も気をつけないと熱中症の可能性はありますが、東京の夏を体験したことがない外国人選手や観客のことを考えると心配になります。以前「東南アジア系の人でさえ東京の夏は耐え難いと言っていた」という会話を友人とした記憶があります。

熱中症は、総称で heat-related illness (直訳:熱に関連する病気)と言います。ですが、「熱中症」の英語を色々調べていると、他の単語も登場してきます。heat-related illness より出てくるのが heat stroke (heatstroke) かもしれません。stroke は(他にも色々な意味がありますが)脳梗塞・脳卒中の一般用語として使われることが多いです。Heat (=熱)と組み合わせると「発作」のような意味になり、熱による発作、すなわち熱中症と訳されることがあります。

Heat-related illness を総称として、その中には色々な種類があります。Centers for Disease Control and Prevention (CDC= 米国の疾病対策センター)によりますと、heat rash (あせも)や sun burn (ひどい日焼け)などの表面的な状態もその中に入っており、その他に heat cramp (熱けいれん)、heat exhaustion (熱性疲労)、heat stroke (熱中症、熱射病)と段階的に重度になっていきます。

また、どのようにして熱中症になったかによっても更に区分けすることができます。アスリートの場合のような、暑い中で運動をしていることによって引き起こされる熱中症のことを exertional heat stroke (労作性熱中症)といい、特に運動などはしていないけれど、暑い環境の中で体温の調節ができなくなる(老人が猛暑の日にエアコンをつけずに家の中にいて亡くなるケースなど)ために起こる熱中症のことを nonexertional heat stroke、または passive heat stroke (非労作性熱中症)とも言います。

熱中症に関連する単語として、hyperthermiaという単語もあります。これは異常高熱のことで、heat stroke まで発展してしまうと高熱が生じるので診断名にされることもあります。Heat strokeが一番重度な熱中症と言いましたが、高熱が出た場合も迅速に病院へ行くことが勧められています。

真夏の東京で開催されるオリンピック。オリンピック会場で医療ボランティアをされる方も、開催施設の近くで勤務されている方も、熱中症で受診が必要な外国人と接する機会が多くなるかもしれませんね。

ブログ執筆者

橋本実和(米国・日本看護師、米国看護学士)
IPEC看護英語教育アドバイザー

アメリカ・カリフォルニア州のCommunity Collegeで看護教育を経てAssociate Degree in Nursing(ADN)を取得。NCLEX-RN合格後、バークレー市内の病院のがん・血液科病棟にて病棟ナースとして5年間従事。その間にカリフォルニア州立大学にて看護学士を取得。帰国後、IPEC看護英語専任教師として活躍しながら、日本の看護師免許を取得。現在はインターナショナルスクールのスクールナースとして働きながら、IPEC看護英語教育アドバイザーを務める。