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カンボジアで活躍する看護師へのインタビュー& 教材を実際に使用しての感想 第2回

飯田 亜希子(仮称)看護師さん

「医療資源や医学知識が不足しているカンボジアで、何か私に出来ることはないか。」と思い働く事を決心した、と語る飯田さん。

簡単に看護師としての経歴を教えてください。
私は、社会人経験を得て看護師になりました。看護師としては、地域の中核病院で、内科、泌尿器科、消化器外科、整形外科、脳外科、救急などで約7年働いていました。
なぜ、カンボジアで看護師として働こうと思いましたか?
私の知人が、カンボジアに支援している病院で働いていて、その病院のサイトを見て興味を持ちました。そして、その病院で行われているカンボジアのスタディツアーに参加したんです。そのツアーでは、現地の方々とのやさしい触れ合いがあり、食事も美味しく食べられたので、「ここで私も生活が出来るかな?」と思いました。ただ、環境の悪さと暑さが問題でしたが(笑)。その後、その病院が支援しているカンボジアの国立病院で、長期(1年)の看護師ボランティアを募集しているという事で、面談・審査等をクリアし、参加を決めました。
カンボジアでボランティア活動をされて帰国後、なぜ、またカンボジアに戻って、看護師で働こうと思いましたか?
カンボジアの国立病院でボランティアをしている時、患者の多くは地方から来ていました。その実態を見て、地方ではどの様な医療が行われているのか不思議に思うのと同時に興味が沸いてきて、「地方で行われている医療に関わってみたい。」、「医療資源や医学知識が不足している中で、何か私に出来ることはないか。」と思っていました。また、ボランティア活動を通して、患者指導やカンボジア人看護師に対する教育の大切さを実感したので、またカンボジアに戻って同じような仕事がやりたい…と思い、カンボジアに戻って来ました。
ボランティアで活動していた時、コミュニケーションは主に英語ですか?それとも他の言語ですか?
医療スタッフとは英語でコミュニケーョンを取っていました。患者さんとはスタッフに現地の言語で通訳してもらいながら会話していました。また、カンボジア語も3カ月勉強し、自分でも出来るだけ患者さんとコミュニケーションが取れるよう努力しました。
英語はどのようにして勉強しましたか?また、医療英語はどこかで学ばれましたか?
カンボジアに来るまで、英語を勉強する時間がなく、何も勉強せずにきてしまい、大変 後悔しました。カンボジアに来てから英会話教室に3か月通いましたが、短期の詰込みでは英会話や医療英語はあまり伸びず、ボランティアで医療スタッフと会話するのに苦労しました。
カンボジアでボランティア活動をしていて、英語で苦労する事はありましたか?
初めは、カンボジア人の話す英語がわからずに苦労しました。彼らは、単語の語尾を発音せず「Fast=ファスト」を「ファ」と言ったり、キョやシュの発音が難しいようで、「Tokyo=トオキョ」を「トクショウー」と言ったり。自分の英語力がないので、聞き取れてないのかと思い、電子辞書を使い一緒に発音を聞いても、今度は、辞書が変だといい始めます(笑)。医療現場での用語も違い、「ガーゼ」を「コンプレ」と言ったり…とても大変でした。病院によっても言い方の違いもあるようです。カンボジア人の英語に慣れるのに苦労しました。
「Nursing English in Action」のテキストを使ってみての感想をお聞かせください。

◎全体の内容としては、 医療現場のイメージもつきやすく、わかり易い内容になっていると思います。こっち(カンボジア)に来る前に、この教材があって勉強出来てたらよかったかなぁとすごくと思います。表現の仕方だったりとか、医療用語というのが詳しく載っているので、自分でも、「こうやって使ったら良かったんだなぁ。」とすごく思いました。とてもいい教材だと思います。

◎Listeningは、
とても聞き取りやすかったです。ゆっくり、はっきりと発音しているので、繰り返し 聞くことが出来、身に付くと思いました。

◎Readingは、
短文で、絵もあり、わかりやすく、医療用語もCDと一緒に勉強できるので、飽きずに 読むことが出来ました。

◎Writingは、
私は単語の綴りがわからない事が多いので、文章と一緒に学べてとてもよいと思いました。

◎Speakingは、
ロールプレイの例文のようなものがCDに入っていれば、自分のロールプレイがあっているのか、発音があってるのかどうか確認できるので、よかったかなと思います。

また、実際に現場でどんな場面で役に立つと思いますか?
病棟の医師や医療スタッフに対して、患者の状態を報告する時や患者の状態を確認する時、また、英語の話せる患者さんや家族とのコミュニケーションの時に役立ったと思います。
テキストにないもので、「もっと、こんな内容の教材があったら現場で役立つのでは?」という現場での声をお聞かせください。
電子カルテの扱い方やカルテの書き方など。
カンボジアで看護師として病院でボランティア活動をしてみて、日本の病院と比較して大きな違いなどありますか?
すべてが違いました。驚く事だらけです。「40年前の日本と同じようだ。」とよく聞きますが、日本がこんな状況だったとは思えません。
私がボランティア活動をしていた国立病院では、完全看護を推奨しないようです。また、患者のケアーはすべて家族が行います。患者一人が入院すると、親戚一同来ます。ベッドや床、廊下にまで所狭しと親族皆で寝ています。食事も病室で家族がコンロを使用して作ります。病棟にはいつも食事のいい匂いがしているんですよ。そのような環境の為か(これだけが原因ではありませんが)病棟にはスズメ、ハエ、虫、蟻、ゴキブリも共存しています。とても不衛生です。
看護師の役割は、点滴・注射、傷の処置です。縫合や抜糸も看護師が行います。朝の医師の回診後、医師が指示した患者だけ看護師はチェックしていきます。点滴が終わる頃、患者や家族が看護師に伝えに来ます。国立病院は看護学生の実習病院の為、看護学生が数名いつも来ており、注射や処置は学生が行います。看護学校では、実技演習などを学校では実施せず、病棟でのぶっつけ本番が当たり前のようです。
看護師の勤務は日勤と24時間勤務です。午前中に日勤のみの看護師と24時間勤務の看護師が処置を行い、その後、数名の夜勤者が翌朝まで勤務します。日本ではあり得ない24時間交代です。ドレーンの管理も日本ほどキッチリしていません。医療器具もないので、あるもので行っています。患者に使用する酸素のシリンダーの水にコケが生えていても、みんな笑って見ているだけです。手術前処置も違います。脳外科にいたので特化しますが、患者の頭を丸坊主にします。清潔不潔の区別はほとんどないです。違いを挙げるときりがありませんね。
カンボジアでは他の看護師との情報交換などの場はありますか?ない場合、そのような場があれば参加したいですか?
NGOの主催する医療勉強会などがあり、参加していました。また、JICAやNGO関連のボランティアで来ている医療関係者の方々と情報交換や助け合いをしていました。医療関係者のコミュニティーが将来的にあればいいですね。
もし、カンボジアで働く看護師さん達と集まる場があれば、どのような情報を共有したいですか?
カンボジアの医療現状や流行している病気、医療の最新情報など共有したいです。
最後に、これから看護師になる看護学生さんや海外で看護師として働いてみたいと思っている看護師さんに海外で働く事の魅力とは何かを一言お願いします。
海外といってもアジア諸国と欧米では規模が違うと思います。自分がどうしたいか、何を求めているのかよく考えて下さい。実際に行ってからでもいいと思いますが。私が看護師のボランティア活動をしてわかったことは、語学の大切さ。ある程度の語学力があれば、医療関係者と色んな情報交換ができてもっと楽しいと思います。後は、看護の基本、知識、技術をしっかりと日本で学んでおく事。看護の基礎を学んでおけばどのような状況でも応用が出来ると実感しました。発展途上国では、日本にないものが沢山あります。ないものでどう対応するかを考える事で、やりがいも出てきます。日本にいる看護師さんや看護学生さん。海外で働く事に興味がある方…さあ!チャレンジしてみてください!きっと楽しい生活が待っていますよ。

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