What's New

「私のRN体験記~アメリカ編~」
第1回 英語が導いたアメリカ大学留学と看護師への道

日本生まれ日本育ち、病院に無縁だった私が、なぜアメリカの大学に留学してカリフォルニア州の看護師への道をたどったのか。アメリカの大学生活・看護学生生活・看護師の仕事など、その道のりを振り返りながら英語学習過程も含めて3回のシリーズでお届けします。

第1回
英語が導いたアメリカ大学留学と看護師への道


【英語好きから英語学習へ】

もともと英語の文字や音が大好きで、中学から始めた英語は得意科目でしたが、大学進学はせず、英語と関連のない普通の会社に就職しました。ただ、音楽が好きだったので、常に洋楽を聴いて英語の音に親しんでいました。友人に誘われ英会話学校で発音のクラスを受講したことをきっかけに英語に目覚め、三十代前半で英語を学び直すために、英語学校の夜間コースに、仕事の後の夜6時から9時までの3時間、毎日平日5日、2年間通いました。また、英語に常に触れる環境を作り、学校にいる間は全て英語で会話し、時間があるときはアメリカのドラマのディクテーションや洋楽を聴くなどし、卒業時にはTOEFL®PBT 503点、TOEIC® 765点という結果がでました。

【TOEFL®テストの結果からアメリカ大学留学へ】

TOEFL®PBT 500点(現在のTOEFL®iBT 61点)からアメリカの大学入学が可能と知り「一生に一度はアメリカで暮らし、英語で好きなことを勉強したい」と、アメリカの大学への留学を決意しました。まだインターネットが今のように普及していなかったので、情報収集はアメリカ全土の大学の情報が掲載されている英語雑誌を買い、自分の興味の専攻がある大学を探し、その中から学費の安いコミュニティカレッジの大学を選びました。英語の資料を読み、自分で入学必要書類を揃えて申し込みをし、大学から合格通知が届き、日本のアメリカ大使館に学生ビザの申請をし、発給されて、大学留学準備が整いました。最初の宿泊施設は、FAXと電話で、大学の近くに一週間の予約をして、知人のいないカリフォルニア州にスーツケースひとつで単独渡航、アメリカ大学留学の始まりでした。情報収集から申請など全て自分で英語で行ったことが、最初の英語力のアップにつながりました。

【アメリカの現地の人々との交流と英語】

現地に着き、バスや徒歩で大学まで行き、入学の手続きをしながら生活の全てを英語でやり取りしなければならない中で、自分の英語力不足が身に沁みました。そこで、英語に慣れるため、人に会い英語で会話する機会を増やすことにし、ショッピングセンター、スーパーマーケット、警察、図書館などに入っていき、生活のことなど質問をし、情報収集しながら英語力アップも目指しました。また、大学掲示板のルームメイト募集に応募し、地元のアメリカ人大学生たちとアパートでルームシェアを始め、毎日の生活の中で英語の発音やアクセントを直してもらいました。ルームメイトと一緒にコーヒーショップに行って地元の人々と交流し、週末ボランティアで地元の高齢者にお弁当を配るなど、地元の人々との積極的な交流の機会も英語力アップの助けとなったと思います。

【英語で学び、英語で仕事をする】

アメリカの大学では自分で好きなように授業を選択できるので、無理なく勉強できるように、留学生が1学期に取得必要な12ユニット(約4教科)を、自分が興味のある勉強がしたい科目に絞り選択しました。英語で大学の科目を勉強するのはとても大変でしたが、地道に時間をかけて教科書を読んだことで英語を読むスピードが速くなりました。また、全授業に出席し提出物を出し、チューターサービスなども利用してクイズやテストに臨んだおかげで、入学最初の学期で好成績が取れ、それが2年目のインターナショナルセンター長からのアルバイトオファーにつながりました。留学生は、オンキャンパスワークという大学内に限り週に20時間のアルバイトができるシステムがあり、幸運にもインターナショナルセンターのアシスタントとして働くことで、世界中の留学生と英語でコミュニケーションをする機会ができました。入学から卒業までの様々なサポートをする部署で、留学・移民局関連書類作成、ホームステイの紹介、授業数の確保他、学生生活関連サポートなど、人の役に立ちながら、同時に仕事を通して英語で「聞く・話す・読む・書く」の力が一段とつきました。

【そして看護の道へ】

大学の進路や専攻を改めて考えたとき、友人のアドバイスから、私が興味を持って学んだ科目(心理学, 哲学, 倫理学, 生理心理学,人間発達学, 幼児発達学, 人類学での非言語的行動など)の全てが看護につながることに気づき、看護師の道を目指すことにしました。

どこにいても常に英語にふれ、自分が好きなことを一生懸命続けた先に、良き人との出会いと道ができ、それが私のアメリカ大学留学や看護師への道に繋がっていきました。

執筆者

鈴木規子(米国看護師、保健学修士)、看護大学英語非常勤講師

アメリカ・カリフォルニア州の2つのCommunity CollegeでAssociate Degree in NursingとNatural Scienceを取得。NCLEX-RN合格後、L.A.カウンティの長期療養病院勤務、在宅看護を経て日本に帰国。 神戸大学保健学研究科看護学領域実践看護学修士課程修了、看護大学助教として慢性期看護学・老年看護学・看護英語教育に従事後、現在は看護大学などで英語授業を担当する。

カテゴリ一覧
コラム
海外体験談
看護留学
セミナーレポート
オンラインプログラム
看護英語テキスト